
左写真は,錦川水系小郷川と小瀬川水系佐坂川の谷中分水界付近にある美和層の露頭で,つるはしの先の灰白色の部分(厚さ約15cm)が約60万年前のテフラである。(右写真は拡大)
美和層には,小瀬川流域からの花崗岩の円礫が多量に含まれ,美和層の時代には,小瀬川は現在の小郷川を通って錦川の方に流れていたと考えられている(三浦ほか,1979など)。このテフラは,広域テフラとの対比はできなかったが,フィッション・トラック年代測定をおこなったところ,0.58±0.09Maの年代が測定された(山内・白石,2012a)。よって約60万年前まで,小瀬川は錦川の方に流れていたものと考えられる(山内・白石,2012a)。山口県内で,段丘堆積物の露頭から中期更新世のテフラが発見されるのは,珍しいものと思われる。
なお,美和層に含まれる花崗岩礫は,錦川と小郷川の合流点から錦川の上流側に追跡される(美川町南桑で見つかっている)ので,約60万年前までの錦川は現在とは逆方向に北流し,高津川の方に流れていた可能性が考えられる(山内・白石,2012a)。撮影場所は,岩国市美和町渋前(しぶくま)の坂上郵便局から北東約400mの地点,住宅地を上がった所の露頭である。
岩国市美和町渋前
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山口太郎,「タイトル」,山口地学会ホームページ,山口ジオフォトツアー(最終更新日)