
この露頭(左側が南)は,華山(713.3m)南東を東流する江良川の中流にある徳仙の滝(落差約10m)で,関門層群脇野亜層群中上部層の礫岩が崖をなす。地名は8世紀初め頃,徳仙上人が滝行をしたことに由来する。
脇野亜層群中上部層は,小倉・八幡地域の太田(1955,1957)の同層群下部層,中部層,上部層および最上部層のうち,中部層と上部層が統合されたもので,下関市の一部を除く山口県下ではこの区分が現在でも使用されている。徳仙の滝付近には,中上部層の下部を構成する礫岩優勢層が分布し,秋吉帯起源のチャートと石灰岩のほか砂岩などの中~大礫を含む土石流起源礫岩や砂岩などからなる。
写真の中では層厚1.5m前後の礫岩層が6~7層累重している。礫岩の風化面では石灰岩礫の周縁が溶出し,しばしば礫が抜け落ちているのが特徴的である。礫岩に挟在する砂岩層の層理面の走向・傾斜は,概ねN18°E・13°Wを示す。下流の方へ少し行くと,不整合関係にある直下の豊浦層群歌野層Ut部層のタービダイト起源砂岩泥岩互層(生痕属Phycosiphon,時折二枚貝や植物片を含む)を観察できるが,脇野亜層群の礫岩は大転石として下方斜面に分布することが多く,下位層との境界を引く際には注意を要する。徳仙の滝は下関市豊田町石町から西へ約2kmほどの所にある。
下関市豊田町,徳仙の滝
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山口太郎,「タイトル」,山口地学会ホームページ,山口ジオフォトツアー(最終更新日)