
「不整合」というのは地質学上の重要な概念の1つである。ある地層ができた後,隆起して陸上で風化や侵食を受け,ふたたび沈降してその上に新しい地層が堆積したような場合,両者の地層の関係を不整合といい,不整合面上にある礫(れき)岩を基底礫岩という。新旧の地層の間には,大きな時間的ギャップや構造運動があったことを意味している。よく教科書には,上下の地層の境界(不整合面)を波線で表し,その上に礫岩層を描いてある挿絵がのっているが,そのような“模式的”な不整合はなかなか見ることができない。
写真では,下部の1/3くらいが中生代白亜紀の阿武層群(一般に流紋岩質の凝灰岩や溶岩などからなる)で,それより上位が新生代新第三紀中新世の須佐層群である。写真の中ほどには下位の阿武層群に由来する大小の礫を含む礫岩層(基底礫岩層)が横に連続するのが見える。礫岩層の上位は砂岩層で,ほぼ水平ないしやや画面左手に傾いた層理面が見える。まさに教科書の挿絵にあるような不整合である。
この露頭は,土産物屋のある駐車場から海苔石(のりいし)への道路終点から,海に向かって左手の小道をたどって海岸におりるとよく見える。ただし,この露頭へは泳がないと近づけない。また付近は岩場で足元が悪いので注意が必要である。
萩市須佐海苔石海岸
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山口太郎,「タイトル」,山口地学会ホームページ,山口ジオフォトツアー(最終更新日)