
北長門国定公園の中核をなす青海島は美しい景観を有し,国内外から年間数10万人の観光客が訪れる。青海島の北側には日本海の怒涛に洗われて絶壁をなしたり,岩石が群立したり,洞門が形成されたりするなど,さまざまな侵食地形がみられる。
このような壮観な眺望の素材をなす岩石は,今から約9千万年前,日本列島がアジア大陸の縁辺にあったころに,太平洋プレートの沈み込みで起きた大規模な珪長質マグマ活動によってつくられた。青海島には,その当時のマグマ活動の新旧関係がよく留められている。とくに青海島北西端にある平家台には,マグマ活動後の隆起・侵食によって,火山岩とそれを貫く花崗岩が露出する。
船上から撮影したこの写真はその関係を示す断崖の一つで,「白旗岩」と呼ばれる。写真中央を横切る白っぽい岩石は,直下にある花崗岩から派生したアプライト質花崗岩である。その両側は成層構造の顕著な阿武層群の火山岩であり,縞模様が認められる。この火山岩は大平場頁岩砂岩部層とよばれ,流紋岩質の火山物質が水中(おそらく湖底)に堆積してできたものある。「白旗岩」ではこの火山岩を切ってアプライト質花崗岩が貫入している様子が良く分かる。陸上から平家台へのアクセスはむずかしく,この景観は海上を周遊する遊覧船からよくみえる。
長門市青海島平家台
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山口太郎,「タイトル」,山口地学会ホームページ,山口ジオフォトツアー(最終更新日)